高額レセプトを検証する(中編)

前回からの続きです。
 
さて、保険制度というのは、加入者全員のお金で、加入者全員を助けるためにある。
先の例で考えると、それぞれ、1ヶ月に約492万円、約992万円が保険から支給されていることになる。
人の命に金額に代えられないため、必要な医療であれば高額になっても致し方ないと思う。
ただ、問題は、この高額な医療費支給が「当り前」であると考えてはいけないことにある。
治療を受ける患者、家族は、事後請求で医療費を知ることになる。
命を助けるために、「お願いします」と医療機関に任せた結果、高額な請求を見て驚くことも珍しくない。
もっとも、現在はソーシャルワーカー等の相談員により、高額療養費制度を紹介され、対応することが可能である。
問題は、治療を行う「医師」に経済的観念があるかどうかである。
治療法方は千差万別であり、よりよい治療法を選択すれば、非常に高額になることも珍しくない。
高額レセプトの患者に対する治療方法について、総額でいったい幾らかかるのかということを考えている医師がどれくらいいるのだろうか?
また、治療には月々、これくらいの医療費がかかります、ということを本人や家族に説明している医師がどれくらいいるのだろうか?
公表されているから述べるが、高額レセプト第1位の月額医療費は、23,893,270円。
血友病Aの患者であるが、23ヶ月の診療期間に要した総医療費は、142,065,160円。
なんと、1億4,000万円なのである。
話はもとに戻るが、命を救うためには、この金額は致し方ないと考える。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch