恐るべき治験というシステム(前編)
前2編で、「治験」というシステムについて書かせていただきました。
治験は、医薬品を世の中に出すために必要なものであり、現在は中小病院、診療所にまで広がってきているということ、また、業務がアウトソーシングされてきているということがご理解いただけたかと思います。
さて、10年ほど前までは、新薬を世の中に出すためには「10年10億円」というのが相場でした。
しかし、最近の治験は「100億円」でも足りないくらいになってきています。
新薬を世の中に出すためには、膨大な金額が投資されているのです。
さて、「治験」に話を戻します。
ここで、算数の問題なのですが、
治験期間の医療費:A
医療機関への治験手数料:B
被験者への謝礼:C
書類作成業務等の委託費:D
CRC等の委託費:E
とします。
医薬品メーカーが医療機関に支払う費用、医療機関がアウトソーシング企業に支払う費用はいくらでしょうか?
一般的に考えますと、
医薬品メーカーが医療機関に支払う金額:B+C
医療機関が被験者へ支払う金額:C
医療機関がアウトソーシング企業に支払う金額:D+E
と考えられます。
従って、医療機関に残る金額は、B+C‐C‐(D+E) = B‐D‐E
となるのが、一般的な考えです。
ですが、答えは全く違うのです。
字数の関係で次回へ続く。
尾崎総合企画
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