介護予防の意味について考えよう(中編

前回からの続きです。
 
平成18年8月10日に、厚生労働省が発表した2004年度の介護給付費実態調査では、3年連続で、介護保険の介護サービスを利用している要介護高齢者の1年後の心身の状態は悪化する傾向が認められた。
現在の介護サービスでは、要介護度の悪化を防ぐことは難しいのである。
そのための「介護予防」サービスの導入ということであろうが、そもそも、この「介護予防」を筋力トレーニングに頼るという考え方が間違っているのではなかろうか?
農業を漁業を行っている高齢者の方は、一般的に非常に元気である。
農業は、収穫から逆算していく仕事であるため、常に計画性を持った考え方が必要であり、日々、体や手先を動かす仕事である。
漁業は、不安定な船の上で行う仕事であり、天候や波を読む洞察力が必要であり、同じく、日々、体や手先を動かす仕事である。
仕事というのは、目的があり、ゴールがあって行うものであり、それに伴い、仕事仲間との交流が生まれる。
ものを考え、体や手先を使い、仲間と交流がある人々は、脳梗塞や骨折といったトラブルがない限り、要介護度の悪化は遅いと思われる。
厚生労働省も、筋力トレーニングの調査を行うより、「仕事をしている人」の調査を行うべきである。
きっと、明確に証明されることと思われる。
日本という国の、要介護者への政策は過去より一貫している。
それは、「隔離」ということ。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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