介護予防の意味について考えよう(後編)

前回からの続きです。
 
在宅誘導したり、通所サービスを実施したりしているではないか!という意見もあるだろう。
しかし、それは「在宅への隔離」であり、「在宅から通所施設という移動隔離」でしかない。
実際に、通所施設に来た利用者を、外出させることは特別な行事を除いて問題視(禁止に近い)されている。
散歩に行きたい、ドライブしたい、海辺や川原に行きたい、新緑を見に行きたい、花々を見に行きたい、買い物に行きたい。
日々、このように思っていても、通所施設では叶わない思いなのである。
在宅における訪問介護もしかりである。
ホームヘルパーの活動には様々な制約がつけられている。
身体介護であれば、家事援助を行えないし、家事援助であれば、身体介護を行うことはできない。(制度としては)
町へ買い物に行きたい、旅行がしたい、という通常の行為には、介護保険では対応できないのである。
真に「介護予防」を考えるのなら、筋力トレーニングよりも、高齢者への仕事を作る方がよい。
日々の目的を作り、人々とのふれ合いの場を作ることこそが、「介護予防」なのではなかろうか。
年金で生きていけるのならば、無償ボランティアでもよいのである。
知恵袋である高齢者が、様々な場所で活躍できるようにすることが大切なのである。
平成18年4月に導入される筋力トレーニングは、真の介護予防となりえるのか?
介護費削減の一時しのぎの策にならないことを願うばかりである。
 
尾崎総合企画
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