変化する有料老人ホーム

ここに2つのタイプの有料老人ホームがある。
あなたは、どちらを選択するだろうか?
 
Sタイプ
 入居一時金 4,000万円〜2億円、月額利用料20万円
Wタイプ
 入居一時金 350万円、月額利用料11万5,000円
 
Sタイプは、セコムグループがこれから本格展開する、高級有料老人ホームのモデル価格
Wタイプは、ワタミグループがこれから本格展開する、有料老人ホームのモデル価格
となっている。
今後、段階の世代が高齢化していく中、高齢者が過ごすための家(施設)が圧倒的に不足することが予測されている。
介護老人福祉施設、介護老人保健施設の建設は計画に基づく必要があり、介護保険財政を圧迫しつつあるグループホームは建設の制限が始まっている。
そんな中、有料老人ホームが注目を集めているが、現在は非常に規制が緩いため、様々なタイプの有料老人ホームができている。
そんな中、様々な業種が介護事業に参入してきている。
セコムは、医療事業に既に参入しているが、今後は介護事業にも本格的に進出するようだ。
セコムのターゲットとしている客層ははっきりとしている。
「富裕高齢者」である。
横浜市にオープンさせる「コンフォートガーデンあざみ野」、神戸市にオープンさせる「コンフォートヒルズ六甲」は、居室の広さが45〜124平方メートル。
入居一時金は4,000万円〜2億円、月額利用料20万円程度に設定する予定とのこと。
人口の多い都市、すなわち富裕層の絶対数が多い都市において、「富裕高齢者」を入居対象とする。
広い部屋に、介護・看護職員を手厚く配備する。
対して、ワタミの考え方は全く違う。
「年金だけで毎月の費用を賄える」ことを目的とし、入居一時金を350万円、月額利用料11万5,000円程度に抑える。
そのために、地価が安い地方を中心に600棟を展開する予定だ。
地価の高い都市においても、入居一時金を850万円、月額利用料を16万7,000円に抑え、低価格をアピールしていく模様である。
施設の概要は不明であるが、近隣の有料老人ホームの価格破壊を招くことは必至であろう。
ピラミッドの頂点の客層を狙うセコム、ピラミッドの低〜中間層を狙うワタミ
勝ち組となるのはどちらの戦略であろうか?
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch