ジェネリック医薬品はお徳なのか?

ジェネリック医薬品という言葉をよく耳にするようになりました。
あなたの医療費が安くなるかもしれません、というのがキャッチフレーズとなっています。
ジェネリック医薬品とは、特許が切れた医薬品(先発医薬品)を、開発メーカー(先発メーカー)以外のメーカー(後発メーカー)が作っているものです。
医薬品の開発に関る費用がかからないため、薬の値段を下げることが可能となります。
さて、ジェネリック医薬品というのは、本当に皆さんの医療費を安くするのでしょうか?
一般的にジェネリック医薬品の薬価は、先発医薬品の薬価の70%ということになっています。
(これまでのジェネリック医薬品の薬価は違うものもありますが、今後、発売されるものは70%となります。)
ここで、モデル計算をしてみます。
一般的な先発医薬品の薬価、すなわち1錠の値段を、仮に50円とします。
1日2回服用するとして、薬の種類を5種類を継続して服用しているとします。
すると、1日に10錠、500円の薬を服用することになります。
この薬剤をすべて、ジェネリック医薬品に変更したとすると、1日に服用する薬の値段は、500円×70%=350円となります。
1日あたり、150円安くなります。
1ヶ月を30日とすると、150円×30日=4,500円 の薬剤費が安くなることになります。
保険診療では自己負担が3割ですので、実際に軽減される金額は、4,500円×3割=1,350円。
実は、これくらいの金額なのです。
この金額を多いと思うか、少ないと思うかは、皆さんの判断によりますが、実は、皆さんが支払っている医療費における薬剤費の割合って意外と少ないのです。
今回のケースでは、先発医薬品として1ヶ月15,000円、ジェネリック医薬品として1ヶ月10,500円をモデルにしています。
では、他の医療費を見てみますと、
往診料1回6,500円、外来での栄養指導1回1,300円、入院での服薬指導1回3,500円。
心電図検査1回1,500円、エコー検査1回5,500円、胃カメラ検査1回11,400円。
レントゲン撮影1回650円、CT撮影1回8,300円、MRI撮影1回12,200円。
(料金は一般的なものを記載)
この他にも、診察料、指導料、検査料、画像診断料、処置料、リハビリテーション料など、通院、入院すると様々な医療費がかかってきます。
ジェネリック医薬品の使用は確かに、皆さんの医療費を安くします。
ただ、その割合は非常に小さいということも知っておいてください。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch