医療費と高齢者負担(前編)

後期高齢者医療制度という新しい保険制度が検討されています。
現在、総医療費の約40%を占めている老人医療費が、2025年度には50%になると予想されており、早急な対応が求められています。
そもそも、老人医療費が高くなったのは、医療の進歩により世界一の平均余命となり、高齢化の比率が高くなったことにあります。
日本の高齢者の医療を考えてみますと、自由に診療を受けることができるフリーアクセスであり、医療の質も高く、しかも自己負担が安いという、トリプルのメリットがあります。
そのため、医療機関を受診する高齢者が多くなり、老人医療費は高くなっていきます。
したがって、超高齢化時代と総医療費の高沸は、日本の医療政策がもたらした産物といえます。
ここで、高齢者の医療の歴史について振り返ってみましょう。

1973年以前は、国民健康保険の自己負担率は30%、社会保険の被保険者本人の自己負担割合は0%、被扶養者の自己負担割合は50%でした。
高齢者は国民健康保険に加入して30%の自己負担を支払うか、社会保険の被扶養者となり50%の自己負担を支払うという状況でした。
1969年、東京都と秋田県が高齢者の医療費を事実上無料化するという政策をとり始めました。
GDPが鰻上りに成長していた、高度経済成長時代ならではの考え方ですが、この2件を皮切りに、無料化は全国の自治体に広がっていきました。
1973年、事実上の医療費無料化に押されて、国も医療費の無料化に踏み切りました。
医療費が無料ということになれば、当然ながら、受診する高齢者は急増します。
これをきっかけに、1974年度の医療費は前年比55.1%の増加、1975年度の医療費は前年比30.3%の増加と、想定外の医療費の増加に財政破綻が懸念されるようになりました。
1982年、定額制の老人保健法が制定され、医療の無料化は終了しました。
その後、定額制の額が少しずつ引き上げられ、2001年の健康保険法改正で1割の定率制が導入されました。
この30年近い間に、湯水のように使われた医療費が、現在、保険制度破綻の危機の大きな原因となっています。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch
 
 
 
「就職(採用)や給与に関するアンケート」結果発表!!
**************************************

メルマガ、ブログをご覧の、全国2,000名の読者のみなさま!!

先日は、「就職(採用)や給与に関するアンケート」に
ご協力をいただきまして、本当にありがとうございました。

就職(採用)に対して、給与に対して、
スタッフがどのように考えているのか?
施設側がどのように考えているのか?

非常に興味のあるレポートとなりました。
今後の就職や採用のご参考にしていただければと思います。

結果閲覧はこちらから!

尾崎総研
http://cat.zero.ad.jp/~zau05048/ozakisouken/index.htm

**************************************