インフルエンザワクチンは高い?(前編)

先日、面白いニュースが新聞に載っていた。
原価約350円のインフルエンザワクチンが接種時には平均3,000円にも膨れている、ということである。
 
詳細は次の通りである。
1.メーカーが原価約350円でワクチンを作る。
2.メーカーは約600円で販売会社に出荷する。
3.販売会社は約750円で薬品卸に販売する。
4.薬品卸は約1,000円で医療機関に納める。
5.医療機関は平均3,000円で接種希望者に接種する。
 
「原価と末端価格の差が大きい。」
「医薬品は通常、製薬会社から卸に売られるため、ワクチンの流通は1段階多い。」
「価格差を何とかすれば、新型インフルエンザに備えた新ワクチンの研究開発費のねん出もできるのではないか?」
などという意見が厚生労働省の検討会で出ている。
どうも、価格差を「悪」と見ているようである。
この議論、いつぞやの「給食費」の例にも似ている。
給食の材料費と入院時食事療養(I)の費用に価格差がありすぎる、といって一時期、議論になった例である。
この時は、給食を作る調理員、栄養管理を行う管理栄養士等の人件費、給食施設の建設・維持費、水光熱費などを、全く勘案していないということで議論自体が消滅してしまった。
今回の問題も全く同じではないだだろうか?
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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