介護予防における「評価」システム(後編)

前回からの続きです。
 
例えば、パワーリハビリテーションを導入し、筋肉量がついてきている利用者がいたとします。
順調にリハビリが進んでいたのですが、疲労骨折により安静を維持しなければならなくなり、要介護度が一気に上がったとします。
この場合は、事業所は減算となるかもしれません。
このように、介護予防の効果判定は非常に難しいものがあるといえます。
平成17年5月2日のコラム「数字の捉え方って難しい」でも書きましたが、厚生労働省が筋力トレーニングによる介護予防の効果を調べたときに、筋力トレーニングを行わなかった場合の効果を調べることをしませんでした。
結果、筋力トレーニングに予防効果あり!という評価を出しましたが、コントロール群(ベースとなる比較対照群)との比較なくして、効果の判定というものはできません。
成功報酬の制度開始後、この「評価」という点は必ず問題になってくるもとの思われます。
というものの、この「評価」方式は非常に画期的なものです。
事業所にも適度な緊張と、計画性が生まれるものと思います。
通所系サービスでは、これまでも計画書の作成が義務付けられていますが、なかなか実行性のあるものではなかったように思われます。
これを機に、きちんとした計画書の作成、トレーニング評価について検討いただければと思います。
願わくば、新設される介護予防サービスだけでなく、現在の介護サービスにまで「評価」システムを広げて欲しいですね。
 
尾崎総合企画
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