ショートステイについて考え直そう

短期入所療養介護、短期入所生活介護、すなわちショートステイというサービス。
このショートステイに対する指導が今ひとつ甘いような気がする。
ショートステイとは、利用者を短期間預かることにより、家族の介護負担を軽減し、介護疲れなどのストレス解消を図ることが目的である。
いわゆる「レスパイト」の一種であり、利用者にとっても、介護者にとっても、非常に有効なサービスであるといえる。
しかし、問題はショートステイを行っている間に、利用者の状態が悪化することが多いということである。
あくまで「入所」であるため、介護老人保健施設介護老人福祉施設に通常入所されている利用者の方と同様に扱われる。
介護の質が悪い施設では、食事量が低下したり、排泄の自立が低下したり、褥創が発生したり、要介護度が上がったりしてしまうことがある。
(もちろん、そのような施設ばかりではない。)
その結果、ショートステイ終了後には、家族の介護負担が著しく増加するという結果となってしまうのである。
これでは、何のためにショートステイをさせているのか分からない。
やはり、ショートステイの間の評価基準を設けるべきである。
例えば、ショートステイ中に褥創を発生させたら、請求金額は1/2になる、など。
車の車検と同じように、入所時と退所時に、家族による身体チェックが行われるようにするのである。
家族からOKサインをもらわない限り、100%の請求はできなくなるというわけだ。
このような方法であれば、施設側に責任感が生まれ、目が行き届いたサービス提供がなされるのではなかろうか?
また、現在の制度では、ショートステイの利用は原則7日以内となっているが、止むを得ない理由がある場合には30日を超えて最大3ヶ月まで延長することが可能である。
ロングショート」などと呼ばれているが、もともとのショートステイのショートを無視したサービスである。
最大3ヶ月の利用ともなると、本来の介護老人保健施設の役割となってくる。
介護老人保健施設は、在宅に帰るまでの訓練が本来の目的なのだ。
平成18年4月の介護改定では、新設される介護予防サービスに、効果に応じた加算、減算の仕組みが導入される。
ショートステイなどの短期サービスにも、このような仕組みは導入されるべきである。
質の高いサービスと、質の低いサービスが同じ報酬であってはいけないのではなかろうか?
 
尾崎総合企画
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