臓器移植について考えよう
(社)日本臓器移植ネットワークが配布している「臓器提供意思表示カード」。
1997年10月の臓器移植法施行以来、1億枚以上が配布されている。
2005年9月末における、脳死による臓器提供は39例で、移植総件数は145件となっている。
ちなみに、2004年度における臓器提供件数は、脳死下で5件、心臓停止下で90件、合計95件である。
逆に移植を希望して、日本臓器移植ネットワークに登録している人数は以下の通りである。
(2005年9月末における、心臓・肺・肝臓・膵臓・腎臓・小腸の移植希望者数)
心臓 77人
心肺同時 4人
肺 102人
肝臓 96人
腎臓 11,922人
膵腎同時 109人
膵臓 16人
小腸 0人
あなたは「臓器提供意思表示カード」を持参しているだろうか?
1億枚の配布ということは、子供と高齢者を除けば、1人1枚以上の配布がなされている計算となる。
日本臓器移植ネットワークは、今後は1人に2枚のカードを渡す「2枚キャンペーン」を呼びかける予定である。
これは、1枚を自分が携帯し、1枚を家族に渡しておき、万一の際に移植の意思が明確になるようにするためである。
新デザインのカードも発行され、今後、ますます配布枚数が増加するものと思われる。
さて、ここで問題なのは、カードの配布方法についてである。
医療機関等などでもカードが配布されているが、実は、実際に配布されている枚数は臓器移植ネットワークが送ってくるカードの一部のみである。
大量のカードが医療機関等に送られてくるため、ほとんどのカードは、倉庫の片隅で眠っているか、廃棄されているのが現状である。
1億枚のカードを配布して、年間100件程度の実績というのはいかがなものであろうか。
世界の移植実績からみると非常に少なく、まだまだ日本では臓器移植への関心が薄い。
もっと、多くの人に真剣に考えてほしい問題である。
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch