介護保険対象外サービス(後編)

前回からの続きです。
 
現在の訪問介護では、利用者以外の者にかかわる洗濯、調理、買い物等は行えない。
また、主として利用者が使用する部屋以外の掃除も行うことはできない。
来客があっても、お茶の準備をすることもできない。
また、草むしり、花木の水やり、ペットの世話もできない。
ゆっくり話をしたくても、時間が限られている。
少し遠くへ買い物に行きたくても、ちょっとした旅行に行きたくても、介護保険では難しいのである。
ただ、介護保険の締め付けが厳しくなることで、高齢者のヘルパーに対する考え方も変わってくるのは確かである。
ヘルパーを「お手伝いさん」と考えている方はとても多い。
理想のヘルパー像をたずねると、その答えは完全に「お手伝いさん」になってくる。
自分の力で及ばない部分のみを手伝うのが本来の介護の姿である。
過剰な介護が、ヘルパー像を「お手伝いさん」としてしまい、また、廃用症候群を増やしていることは否めない。
過剰なサービスには、やはり、それなりの対価が必要であり、また、介護職は本来の介護をしなければならない。
今後は、介護保険を利用した介護サービスと、民間の有償サービスが、併用されてくる時代となってくるであろう。
財布の中身と、利用者の望むサービスの均衡がとれていなければならない。
現在でも、シルバー人材センターや、NPO、ボランティアなどの有償サービスを活用することができる。
民間が参入してくることにより、どのような住み分けとなってくるのかが不明であるが、介護保険対象外の生活支援サービスは、今後ますます広がってくるであろう。
 
尾崎総合企画
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