医療機関におけるICタグの活用(前編)

筆者も以前から注目していた「ICタグ」の医療機関での活用が、東京医科歯科大歯学部附属病院、三重大学医学部附属病院、山梨大学医学部附属病院で始まる。
野村総合研究所、先端情報工学研究所、伊藤忠などの民間企業の資金を活用して大規模実験を行うのである。
今回使われるICタグは、非接触ICタグ(RFタグ)と呼ばれるもの。
ICチップとアンテナを内蔵しており、専用機器をかざすだけで、情報の読み書きが行える。
また、複数枚のタグの情報を同時に読み取ることができ、例えば、タグが貼られた10本入りのアンプル1箱をかざすだけで、10本分の情報を読み取ることが可能ということである。
ICタグを活用すると、どのようなことができるようになるのだろうか?
今回の実験では、医薬品、医療材料、患者、医療従事者、処方せん、カルテなどにICタグを貼り付けるとのこと。
これにより、
・医薬品・医療材料の在庫管理の効率化
・投薬時の患者照合による投薬ミス防止
・要管理薬の追跡管理
が行えるとのことである。
現時点における電子カルテの機能を見てみると、バーコードにおける患者照合はすでに行われている医療機関もある。
要管理薬の追跡管理というのは、それほど大きな要点を占めないようにも思う。
(治験薬の管理という面では良いかもしれない。)
医薬品・医療材料の在庫管理の効率化というのは、ICタグを活用する意味があるのかどうかは不明であるが、用途についてはこれから様々な方向に広がってくるものと思われる。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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