セカンドオピニオンに診療報酬加算???(前編)

厚生労働省は平成17年10月12日の診療報酬基本問題小委員会において、「セカンドオピニオン」を推進するために、主治医がセカンドオピニオンを希望する患者や家族にカルテの写しなどを渡した場合に、報酬を加算する制度を検討するように求めました。
これを読んで、ん???と皆さんは思いませんか?
セカンドオピニオンとは、その名の通り、「第2の意見」ということです。
自分の疾患、治療方針などを考える上で、1人の医師の意見だけでなく、他の医師の意見も参考にしましょうというものです。
医師も人間ですので診断を間違えることもありますし、治療方針も1種類ではないため、複数の医師の意見を聞いて、自分がベストだと思う方法を選択するのは大切なことです。
ただ、現時点では、主治医との人間関係が壊れるのを恐れたり、どの医師に相談してよいかわからなかったりするため、セカンドオピニオンはなかなか浸透していないのが現状です。
そこで、セカンドオピニオンを推進するためにと、今回のような案が出てくるのでしょうが、やはり、少し???という点があります。
 
1.個人情報保護法の施行により、本人が診療記録の開示を求めた場合には開示の義務があるのに、なぜ「加算」をつけるのか?
もともと、院内規定によりコピー等の金額が定められているため、診療報酬に加算をつけることには疑問を感じます。
 
2.今回の考え方では、加算を算定するために、主治医が特定のセカンドオピニオンを紹介する形が多くなるように思われる。
セカンドオピニオンの選択は、患者や家族が行うものであり、加算という形で主治医が介入する可能性があることに疑問を感じます。
 
3.厚生労働省セカンドオピニオンを推奨することに問題はないのか?
日本における医療は、フリーアクセスであるため、患者に自由な選択権があります。
1人の主治医に任せるのも、複数の医療機関で診察を受けるのも自由ということです。
その自由に、厚生労働省が加算を用いて介入することに疑問を感じます。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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