セカンドオピニオンに診療報酬加算???(後編)

前回からの続きです。
 
しかし、そうは言っても、患者や家族がセカンドオピニオンを選択することは非常に難しいのが現状です。
現在、様々なランキング本が出ていますが、あくまで一般的な意見であり、自分自身に有益な情報かどうかはわかりません。
また、ランキング上位の医療機関であっても、大切なのは医師の資質です。
大病院志向の日本人ですが、大病院であるからこそ多くの医師が勤務しており、そのレベルは千差万別だということを忘れてはいけません。
それでは、どの医療機関のどの医師に相談したらよいのか?
最近、がんセンターをはじめ、様々な医療機関が「セカンドオピニオン外来」というのを始めています。
これは、セカンドオピニオン専門の外来であり、第2の意見を聞きたい方のみが紹介受診をするというシステムです。
実は、医師自身もセカンドオピニオンというものに慣れていないため、突然受診しても困ってしまうケースがあります。
セカンドオピニオン外来ならば、しっかりとした対応をしてくれますので、安心して相談することが可能です。
民間でもセカンドオピニオンを推進している団体があります。
「セカンド・オピニオンを推進させる会」という会があります。
末期がんの方に限定されますが、セカンドオピニオン700名、サードオピニオン(第1と第2の意見に相違がある場合の第3の意見)2,000〜2,500名を紹介してくださいます。
(セカンド・オピニオンを聞きませんか!のホームページ http://www.h5.dion.ne.jp/~life-so/index2.html
最終的に自分の命、自分の生き方、自分の治療方針は自分で決定しなければなりません。
上手にセカンドオピニオンを活用していただければと思います。
ということで話は戻りますが、このように大切なセカンドオピニオンの推進に、診療報酬加算をつけるのは、やはりおかしいと思います。
診療報酬で加算をつけるというのは、すなわち患者自身の支払いが増加するということ。
本当に推進したいのならば、セカンドオピニオンを利用することで、患者負担が少なくなるシステムを作らなければなりません。
診療報酬で医療機関を誘導するという手法は、そろそろ終わりにして、一般の方々への情報提供に力を入れた方がよいのではないでしょうか?
診療報酬での誘導により、平均在院日数が短くなって喜んでいる医療機関と、「病院を追い出された」と途方にくれている患者・家族を見て思う、今日この頃です。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch