カルテというメディア(後編)

前回からの続きです。
 
ただ、問題となるのは、患者自身による長期保存が可能かどうかということと、罹患歴が長い場合、持参する診療録の量が膨大になるということ。
そこで、問題解決のキーとなるのが、電子メディアなのではないでしょうか。
先日読んだ、ある研究によると、人間の一生の行動を記録しても140GB程度の容量だそうです。
医療に関する部分に限定すると、どうやらDVD1枚程度に収まるのかもしれません。
次世代DVDなら、軽く1枚以内に収まってしまいそうです。
保険証の情報なども組み込めば、このメディア1枚があなたのすべての記録を保存してくれることになります。
国保から社保などの保険証の変更も簡単です。)
この1枚の個人情報は、かなり重要なものとなりますが、その保管義務は各個人となってきます。
実印や印鑑登録カード、通帳、現在の保険証などと同じ感覚で管理すれば、特に大きな問題もないように思われます。
もちろん、データにアクセスするためには、暗証番号ともう一段位のセキュリティは必要です。
現在、1人1カルテに向けて、ユビキタス(いつでも、どこでも)なシステムが検証されています。
ただ、電子カルテの導入率は非常に悪く、普及にはまだまだ時間がかかりそうです。
下手に、電子カルテから入るより、個人情報メディアから入った方がスムーズにいくのかもしれません。
診療録(カルテ)は誰のものなのか?
情報管理責任は誰にあるのか?
この2点の答えを、患者個人とすることにより、医療は新しい局面を迎えるかもしれません。
何年か先の未来では、医療機関を受診する際に、「カルテ忘れてない?」なんて会話があるのかもしれません。
賛否両論だと思いますが、雑談として読んでくださいませ。
 
尾崎総合企画
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