紹介状なしの大病院受診が保険外へ!(前編)

平成17年11月9日、厚生労働省中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会に対して、紹介状なしで大病院を受診した際の、初診料・再診料・外来診療料をすべて患者の自己負担とする考えを示しました。
皆様は、このニュースを見て、どのように感じられたでしょうか?
実は、この案は、これまでにない画期的なものなのです。
これまで、厚生労働省は、医療制度を改革する際に、診療報酬をもって対応してきました。
平均在院日数の短縮、大病院への外来受診抑制、生活習慣病への取り組み、在宅誘導などなど。
診療報酬を優遇したり、包括したりすることで、医療機関側から患者を誘導しようという方針です。
しかし、患者側にはほとんど情報が入っていないため、診療情報による誘導政策は、「料金が高くなった」「病院を追い出された」などという苦情ばかりが目立っておりました。
複雑な制度を患者側に示さず、医療機関側にのみ示したのでは、誘導効果というのは予想ほど現れないのが当然です。
これに対して今回の案は、具体的に患者側を誘導する仕組みです。
「大病院に直接受診すると、保険が使えないのだなぁ」ということがよく分かります。
では、どうすればよいのか?ということになり、「かかりつけ医」や近くの診療所を受診することになります。
非常にシンプルでわかりやすい方法です。
「お金」で診療誘導することには問題があるかもしれません。
ただ、これまでは医療機関側を「お金」で誘導してきていたのです。
患者側にとっては、不透明、不親切な仕組みでした。
やはり、サービスを利用する患者側に、制度を理解してもらえなければ、これからの制度改革は難しいのではないかと思います。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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