一般病床のII群は壊滅的???

先日の診療報酬基本問題小委員会の資料を見ていて愕然とした。
平成16年7月1日現在での一般病棟入院基本料に関する全国集計のデータである。
(全病院の約8割のデータが集計されてある。)
このデータによると、入院基本料II群を算定している医療機関は28.3%、許可病床数では、なんと13.4%しかないのである。
この結果から言えることはただ一つ。
厚生労働省にとっては、I群でない一般病床は、もはや必要ではないということである。
現在の医療法により、一般病床か療養病床かの病床区分の届出、最低看護配置 3対1という制度が、期間猶予を持って実施された。
第4次医療法改正は、平成13年3月に施行された。
次の春で、あれから5年が経過する。
その間、回復期リハビリテーション病棟、亜急性期病棟などの制度も整えられた。
5年もの期間の間に、急性期であるI群の一般病床、または療養型病床のどちらにも移行できなかった医療機関が悪いということである。
以前のコラムで述べたが、慢性期包括評価分科会の調査では、入院基本料II群を算定する一般病床は、療養型病床と包括して検討されていた。
社会的入院に近い病床は、療養型と同格と考えられているのである。
しかし、今回の資料では同時に、II群3を届け出ている施設の8割以上で平均在院日数が44日以内というデータも示している。
44日とは、すなわち1ヵ月半ということ。
平均在院日数1ヵ月半とは、決して社会的入院とはいえない期間である。
地域のニーズに応えるには、急性期か、慢性期かという二択では難しいものがある。
回復期のリハビリテーションが必要ではなく、かといって亜急性期でもない、しかし、自宅で療養は難しい。
という患者は、実はかなり多いのである。
地域に必要とされる病院とは、様々なニーズに応えられるということである。
平均在院日数に縛られすぎて、早期退院させられるばかりでは、市民の不安は高まる。
一般病床II群の行く末はいかに?
 
尾崎総合企画
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