リバース・モーゲージ(前編)

リバース・モーゲージ」という言葉をご存知だろうか?
リバースは「逆の」、モーゲージは「抵当融資」を意味する。
すなわち、不動産や金融資産を担保に、月々の費用を融資していき、死亡時に一括返還できる仕組みのことである。
通常の借入れは、一括して借入れ、月々、借入残高が減っていくが、リバース・モーゲージは、月々、借入残高が増えていき、一括して返済する。
したがって、「リバース」なのである。
さて、難しいことはさておき、このリバース・モーゲージが、最近、注目されてきている。
これからは、高齢者が施設に入所する時代。
グループホームの時代が終わり、有料老人ホームや介護付きマンションなど、施設の終身利用権を買う時代となってくる。

「施設の終身利用権」という、聞きなれない言葉について、説明を加えておく。
有料老人ホームに入居する際に、入居一時金や保証金という名目で、多額のお金を支払うこととなる。
実は、このお金は、施設を購入するお金ではなく、施設を生涯に渡って利用するための権利金なのである。
したがって、権利金として預かったお金は資産であり、「償還」という言葉のもとに、施設側の資金へと替わっていくお金なのである。
わかりやすく言えば、入居して数年後に退去したくなっても、権利の放棄であり、施設の売却ではないため、お金はほとんど戻ってこないのである。

話は戻すが、有料老人ホームに入居するためには、高額な入居一時金を支払わなければならない。
さらに、生活費、食費、施設費、介護費として、毎月20万円前後のお金が必要となってくる。
年金を上回るお金を、どのように捻出していくのかというのが、老後の課題となってくる。
そこで登場するのが、リバース・モーゲージである。
自宅を担保にして、必要な金額を借入れ、死亡時に一括返還できれば、自宅も失わず、資金を捻出することができる。
子供に資産を残そうと思わなければ、この制度は非常に有用である。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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