記録について考える(後編)

前回からの続きです。
 
他の職種についても考えてみよう。
リハビリテーションの記録も規定がないため、日々の記録はかなり簡潔に書かれていることが多い。
ただし、期間を定めて、計画と評価を綿密に行う必要があるため、こちらの記録作業に多くの時間を要する。
薬剤師の服薬指導の記録は、施設基準としてかなり厳密に内容が定められてある。
日々の記録はもちろん、内服薬処方歴、注射施行歴、検査値、その他薬学的管理事項と幅広い。
指導時間よりも記録時間の方が長いというのが現状ではなかろうか?
管理栄養士の食事指導の記録については規定はないのであるが、それ以前に入院時食事療養についての記録は膨大な量である。
衛生的で栄養管理された食事の提供には、厳密な管理が必要であり、それを実施しているという記録が必要となってくる。
最後に医師の診療録であるが、これは医師によりピンキリである。
びっしりと書く医師もいれば、メモ的な記載しかない医師もいる。
電子カルテの導入により、記載内容が増えたという苦情もよく聞かれる。
平成12年4月までは、施設基準である入院基本料は、医師の入院医療管理料と看護の看護料に分かれていた。
当然、入院医療管理料は施設基準であるわけだから、しっかりとした規定が必要である。
診療録の内容については、様々な意見があると思うが、最低限の記載内容は規定してもよいのではなかろうか?
そうすることにより、医療ミス等が起こった時、カルテ開示を請求された時に、曖昧な部分がなくなってくるのではなかろうか?
記録というのは、実施したことの証明でもある。
ただ、本来は患者の側にいるための時間が、記録のために削られていくのは、本末転倒なのではなかろうか?
「書かれていないことはやっていないこと」という判断はいかにもお役所的ではあるが、逆に過去の歴史に、それだけ多くの不正があったというのも事実であろう。
皆さんは、記録についてどのようにお考えだろうか?
 
尾崎総合企画
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