いつも誰かに見られている(後編)

前回からの続きです。
 
接遇の講師として、元スチュワーデス(フライトアテンダント)という方が多い。
フライトアテンダントは、常に顧客の視線を浴びている職種である。
描かれるイメージとしては、姿勢が美しく、品格があり、優しく、気配りができ、そして冷静で的確等が挙げられる。
このようなイメージになるためには、数々の教育はもちろん必要であろうが、常に視線を意識した行動が必要である。
フライトアテンダントには綺麗な女性が多いが、女性は人の視線を受けて綺麗になっていくという。
人の視線を感じるということは、自分を常に客観的に見ていなければならないということであり、見られているという意識は、自分の価値を高めようという意識に通じる。
接遇の講師として、ホテルマンも多い。
テルマンも常に視線を感じる仕事である。
三流ホテルではよく見られる行為だが、フロントにお客がいないときに、笑顔で雑談をしている風景を見かけることがある。
人が見ていない時にこそ、自分自身を律して行動しなければ、真の品格は生まれてこない。
ある外資系ホテルでは、フロント内で腕組みをしていたという理由でクビになったという話を聞いたことがある。
それくらい、気の緩みというものを律さなければ、ホテルの品格を維持できないのである。
医療機関介護施設に、フライトアテンダントやホテルマンの品格は似合わないかもしれない。
ただ、その品格の奥にある「おもてなし」の心を忘れてはならない。
アットホームでも良い。田舎っぽくてもよい。
繰り返すが、接遇とは、「技術」でなく、相手のことを想う「心」が大切なのである。
 
尾崎総合企画
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