他職種について勉強しよう!(後編)

前回からの続きです。
 
例えば、糖尿病について考えてみる。
数年前より、「日本糖尿病療養指導士」という資格が関心を持たれている。
(日本糖尿病療養指導士認定機構 http://www.cdej.gr.jp/
糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を有し、医師の指示の下で患者に熟練した療養指導を行うことのできる職種に与えられる資格である。
看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師理学療法士等が研修を積み、試験をクリアすることにより与えられる資格である。
この資格を得るために必要な知識は、非常に幅広く、栄養全般から、生活習慣、治療方法、はたまた糖尿病に関する分子レベルの話までの知識を習得しなければならない。
また、知識のみでなく、実践と研修を積まなければ認定されないようにできている。
この資格を得たスタッフは、「ある職種」の枠を超えた考え方ができるようになる。
その上で、自らの専門知識を活用できれば、よりよい治療・指導ができることは言うまでもない。
チーム医療を行う上で、今後は事務職の活躍が期待されている。
今後の厳しい医療経営の中で、複雑な医療制度を活用するためには、診療報酬を理解できる事務職の参加は必須となってくる。
ただ、事務職というのは、医療機関の中で、唯一、資格職(免許職)ではない職種である。
医療事務や診療情報管理士などの資格はあるが、現場の「医療」からは外れた位置にある。
活字上の知識や、数字のみで考えていると、現場スタッフとのずれが大きく、チーム医療がおかしなことになってくる。
事務職こそ、他の職種の勉強会にどんどん参加すべきである。
医科点数表に書かれてある治療行為が、具体的にどのようなものなのか?
患者側の療養環境や、家庭環境がどのようなものなのか?
外に出て、様々な知識や現実と出会うことで、活字上の知識や数字は、より活用できるものとなってくる。
医療機関には、様々な職種が存在するが、そのすべてが必要だからこそ存在しているのである。
専門分野というのは、全体のほんの一部である。
他職種の知識をどんどん吸収することで、自分の知識に磨きがかかってくる。
よりよいチーム医療を目指して、幅広い知識を身につけていきましょう。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch