「医療費」について(前編)

団塊の世代が退職を迎える時代となり、今後、高齢者人口はますます増加してくる。
医療制度改革の大綱が正式決定され、医療費の患者負担(特に後期高齢者負担)は上がることとなった。
また、次回の診療報酬改定はマイナス改定となることが確定した。
患者負担は上がり、医療機関の報酬は下がり、かつ国は医療費の自然増を負担しなければならない。
三方一両損の改正ということで、医療費の高騰を抑制するため、皆が少しずつ負担をするという形で結論が出されたのである。
この決定について、テレビ報道、新聞報道では、かなり批判的なコメントが出ている。
患者の負担増加は、医療費抑制に繋がらない「短絡的政略」だというのだ。
また、安全で衛生的な医療が推進されている中、医療機関の報酬を下げることは、時代に反比例するという意見も多々出ている。
この2つの意見、大変ごもっともな意見なのであるが、少し違った見方をする必要もある。
例えば、ここに1万円の商品がある。
この商品は、果たして高いのであろうか、安いのであろうか?
本来100万円の商品であるならば、これは非常に安いといえるであろう。
しかし、これまで100円に値引きして売られていたならば、とても高いといえる。
このように、値段・料金というのは、考える基準が違うことにより、まったく違った印象を受けるものである。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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