変わるグループホーム(後編)

前回からの続きです。
 
もう一つ検討されているのが、共用スペースを活用したデイサービス(通所介護)事業。
現在、
・1ユニット当たり3名以下とする
という制限が検討されているが、それでも2ユニット施設で1日6名まで受け入れることができる。
このサービスが実現すれば、デイサービスを利用する方よりも、グループホームに入所している方のために、とてもよいサービスであると考えている。
なぜなら、一般的なデイサービスでは、自宅からデイサービスに通うため、お年寄りに環境の変化が起きている。
しかし、グループホームに入所している方は、どうしても、この環境の変化が乏しくなってしまう。
もちろん、様々な行事が考えられ実行されているが、デイサービス利用者と比べると圧倒的に変化が乏しい。
そこに、グループホーム入所者の「お客様」として、デイサービス利用者が「訪問」すれば、共用スペースを利用して楽しい時間が過ごせるのではないかと思う。
グループホームはあくまで「居宅」、すなわち入所者にとって「家」なのであるから、「お客様」をお迎えすることは尊厳を持った行為となる。
お客様にお茶を入れてあげるのも良いだろう。
お客様のために、何かお茶菓子を買うのも良いだろう。
他のデイサービスの話を聞くのも良いだろう。
デイサービス利用者にとっても、サービスを利用しに行くというのではなく、お友達の家に遊びに行くという感覚で来てもらえれば、双方にとって良い関係となっていくであろう。
もともと、グループホームというサービスは地域密着型であったはずである。
すなわち、地域の方が遊びにきて交流し、また入所者が地域活動を行い、認知症の促進を予防しようというコンセプトだったはず。
それが、気がつけば「居宅」でなく、「施設」と化していっている。
これではいけない。
グループホームに、ショートステイやデイサービスを取り入れることにより、グループホーム自体がもっと地域に密着していけばよいと思う。
このように書くと、次回の改定でスタートする小規模多機能型居宅介護に近いような感じがしてくる。
新たなサービスを創出しなくても、グループホームの機能拡張で対応できるのではなかろうか?
そう思えるようなサービスへ、グループホームが変化していくことを、筆者は期待している。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch