公定価格と購入価格(前編)

平成18年4月の医療制度改革が議論されている。
既に、診療報酬の引き下げ率3.16%が決定されている。
そのうち、薬価・医療材料部分は1.8%となっている。
引き下げ理由は、もちろん、請求金額と購入金額の差異があるためである。
現在の医療は出来高制。
すなわち、医療行為を行えば行うほど売上げが上がるようになっている。
そこに、いわゆる薬価差益という問題も含まれている。
本来、薬の値段は「薬価」という公定価格が定められている。
しかし、卸から医療機関が買う場合には、この薬価から値引きをして購入する。
この、薬価−購入価格から生じる利益を、薬価差益というのである。
そのため、薬を処方(使用)すればするほど、医療機関には薬価差益が残っていくこととなる。
薬漬けの医療の根源の一つは、この薬価差益にあるといっても過言ではない。
患者の病気を治すための「道具」であるはずの薬で、利益を求めているのだ。
利益は、本来の報酬である診療報酬で求めなければならない。
昔は、この薬価差益が異常な率であった。
極端な例を挙げると、薬剤を1箱買えば、3箱ついてくるという時代もあった。
現在は、この薬価差益が著しく減少されたが、医療経営が厳しくなる中、医療機関は薬価差益を無視することはできない。
医療材料についても同様である。
 
尾崎総合企画
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