謝礼なんて(後編)

前回からの続きです。
 
さて、皆様の病院での現状は別として、この謝礼を受け取るという行為については、いくつもの問題点があります。
・謝礼を受け取った医師は、きちんと税務申告しているのか?
 ⇒ 脱税行為になります。
保険診療を行っているのに、保険外のお金を受け取っている。
 ⇒ 保険診療を行う上で、特定療養費以外は、保険外のお金を受け取ってはいけません。
 ⇒ 保険医及び保険医療機関の指定取消し要件となる恐れがあります。
・手術は、その前後を含めて、様々なスタッフが関っているのに、医師個人としてお金を受け取っている。
 ⇒ 倫理的に非常に問題です。
 ⇒ 看護、リハビリ、食事、栄養、事務、相談等、チーム医療はどこへ行ってしまったのでしょうか?
・謝礼は、医療費なのではなかろうか?
 ⇒ どうしても謝礼を出したいということであれば、そのお金は保険に戻されるべきではないでしょうか?
このように、謝礼というのは間違った行為です。
手術に対しても、麻酔に対しても、きちんと保険診療で費用がでています。
病院の医師は、プロスポーツ選手のように個人事業主ではなくサラリーマンですので、きちんとした報酬が支払われています。
その金額が高いか安いかは、考え方によりますが、謝礼を受け取るという行為自体が問題です。
患者側も、謝礼はばかばかしいと思いながら、ついつい準備をして渡してしまいます。
しかし、謝礼を渡そうが、渡さなかろうが、医師をはじめ、全スタッフが「手抜き」をすることなど有りません。
受け取る側も悪いですが、渡す側も悪いのです。
贈賄罪という罪がありますが、贈る側も、受け取る側も罰せられますよね。
謝礼という、常識はずれな行為は、皆で排除していかなければなりません。
あなたが止めれば、次の人も止めるのです。
医療は、どこからみてもクリーンでなければなりませんね。 
 
尾崎総合企画
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