食事は治療なのか?(後編)

前回からの続きです。
 
高血圧の方には、血圧を抑えるために、減塩食が推奨されている。
日本高血圧学会が推奨している「高血圧治療ガイドライン2004年版」では、塩分の摂取は1日6g未満とされている。
皆さんは、1日6g未満の食事を食べたことがあるだろうか?
日本人の1日の食塩摂取量は、平均で1日12g程度となっている。
外食や弁当が多い方は、この程度では済まないだろう。
すなわち、通常摂取している1/2の塩分で味付けをすることになる。
6gというのは、多くの人にとっては、食事は味気ないものであり、食べている気がしなくなるような塩分料なのである。
このように、現実問題として食事をコントロールすることは非常に難しい。
簡単に出来れば、生活習慣病の患者および予備軍が、社会問題化するほど増加することはない。
だからこそ、せめて入院期間だけでも、コントロールされた食事を摂って、実感してもらうことは必要なのである。
管理栄養士を評価するために、1日に月12点という栄養管理実施加算という加算が、入院基本料に対する加算として新設される。
1日たったの120円!という、外資医療保険のような金額であるが、この金額で病院は、また管理栄養士は、治療のために計算された食事を考えていかなければならないのである。
生活習慣病というと聞こえは良いが、実際には、高血圧症、高脂血症、糖尿病という、3大「贅沢病」のことを指している。
その根源は、カロリー、脂肪、塩分等の過剰摂取!
食事は治療の根幹なのである。
今回の改訂により、病院給食に対する考え方は大きく変わってくる。
あなたの病院では、どのように取り組んでいくのであろうか?
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch