医療というサービスと料金(前編)

厚生労働省は平成18年4月より、診療報酬点数の一覧表を同省のホームページに掲載することを決めました。
ようやく、医療の「料金の入ったメニュー」、国民に公開されるのです。
今回の診療報酬改定をめぐって、厚生労働省は、「詳細な明細書の提供」を制度化しようとしていました。
お金を払ってサービスを受けるのに、「料金の入ったメニュー」が提示されないのは、医療と高級料理店とぼったくりバーくらいのものです。
こんな当り前のことであるにもかかわらず、日本医師会の強力な反対により、「努力義務」にとどまる結果となってしまったのです。
医療という世界は、本当ににおかしな世界です。
今回、敗北した厚生労働省のお返しが、このホームページ掲載ということになるのでしょうか?
そもそも、なぜ、日本医師会は反対しているのでしょうか?
中医協では、日本医師会側委員が「事務作業が煩雑になる」などと主張していました。
しかし、果たしてどれくらいの事務作業が煩雑になるというのでしょうか?
すでに、医療事務の多くはレセコンというコンピューターに、診療内容の入力処理(インプット)がなされています。
あとは、形式を整えた印刷(アウトプット)さえすればよいだけでとなっています。
これまでに、簡易な明細書のアウトプットは可能でした。
保険者に提出する、詳細なレセプト(診療報酬明細書)のアウトプットも、もちろん可能です。
これを混合させるだけですので、特に大きな問題とは思えません。
出産や美容整形、人間ドック、ワクチン接種など、「自由診療」の世界では、予め、医療サービスの料金と内容がしっかりと明記されています。
しかしながら、「保険診療」になると、なぜ、このような当り前のことができないのでしょうか?
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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