医療というサービスと料金(後編)

前回からの続きです。
 
保険診療では、患者の自己負担が1割や3割であることから、本来の医療費が患者にわかりにくくなっています。
そのため、出来高方式の医療で、過剰ともいえる検査や投薬を重ねることにより、医療費は増大してきました。
もちろん、患者主義のきちんとした医療機関も多いのですが、同時に、利益主義の医療機関も多いことは否めません。
日本医師会の反対は、「過剰な検査や投薬を行っているから詳細な明細書は出せません」と言っていると思われても仕方がないのです。
今は、インフォームドコンセントをはじめとする、情報開示の時代。
「すべて、先生にお任せします」という時代は終わったのです。
今回の改定では、詳細な明細書の提供は努力義務となりましたが、
患者が求めた時に限って「詳しい領収書の発行に努める」
ように、厚生労働省は通知で促しています。
患者となる皆様、ぜひ、「詳しい領収書の発行」を医療機関に求めてください。
診療を受ける前に、検査や投薬、手術にかかる費用を聞いてみてください。
明細書の発行や情報提供を拒否する医療機関は、利益主義の医療機関です。
患者主義の医療機関であれば、きちんとした対応をしてくれます。
これからは、患者となる皆様の自己負担の金額、負担する保険料の金額が上がってきます。
お金を出して、同じ医療サービスを受けるなら、質の高い、きちんと情報提供している医療機関を受診したいものです。
これからは、「質」の時代になってきます。
その質を作り出すのは、医療機関であると同時に、患者自身にもなってきます。
よりよい医療を目指して、まずは、料金とサービスの内容をはっきりとさせましょう。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch