機能分化を促進するために(後編)

前回からの続きです。

実は、このような問題は簡単に解決することができるはずである。
法令で、病院の名称について規制をかければよいのである。

一例を挙げると、

医療法人○○会 急性期病院
医療法人△△会 回復期リハビリテーション病院
医療法人□□会 療養型病院
医療法人××会 慢性期疾患病院

急性期 ○○病院
回復期リハビリテーション △△病院
療養型 □□病院
慢性期疾患 ××病院
初期診療 ◎◎クリニック
生活習慣病 ◇◇診療所

などというように。
このようにすれば、自然と機能分化はできるのではないかと思う。
病院名や診療所名に、機能分化がわかる名称をつければ、患者は適切な医療機関を選択する。
逆に、なんでも屋医療機関はなくなり、専門性に特化していけるようになる。
急性期の大病院が、生活習慣病や風邪の患者を診察している場合ではないのである。

平成18年の改定で盛り込めなかった制度がある。
紹介状がない患者が大病院を受診した場合に、一定の金額は保険を使えなくするという制度である。
すなわち、大病院で見るべき疾患かどうかわからない患者が、大病院を受診した際には、自己負担金が高くなるという制度。
自己負担の安い診療所で診察を受け、必要であれば大病院に紹介されることを狙った制度である。
機能分化を行うためには必須である制度であるにも関らず、大反対にあい、制度化されなかった。
理由は、外来診療がなくなると経営が困難になるから。
これでは、機能分化が進むはずもない。
本気で機能分化を進めるのであれば、本気で地域完結型の医療を目指すのであれば、各病院のエゴは捨てなければならない。
自らの専門性に磨きをかけ、よりよい医療サービスを患者に提供していかなければならない。
皆様はどのようにお考えだろうか?
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch