中小病院の入院環境が劇的に変わります(前編)

今回の診療報酬改訂で、中小病院が悩んでいる問題が、病棟への看護配置についてです。
ご存知の通り、今回の改訂で大きく変わる基準が2つあります。

1つ目は、現在の○対1という看護配置の記載が現実に即していないため、実際の数字に置き換えられるという点。
例えば、現在の2.5対1の看護配置では、入院患者数に対して、病棟に所属している人数で計算することができました。
具体的には、60床の病棟では、60床÷2.5=24人、24人を病棟に所属させればよかったのです。
しかし実際には、1ヶ月のうち約21〜22日程度しか勤務していないため、患者側からみると、「記載と比べて看護スタッフが少なすぎる!」という意見が多かったのです。
今回の改訂により、入院患者数に対して、平均した1日あたりの勤務人数で計算することとなりました。
例えば、現在2.5対1の看護配置は、改定後はすべての勤務時間帯を平均して、13対1という表記になります。
具体的には、60床の病院では、60床÷13=4.6人、すなわち、1つの勤務時間帯に平均4.6人が勤務していなければならなくなるのです。
1つの勤務時間帯を8時間としますと、1日は3つの勤務時間帯となります。
したがって、60床÷13×3勤務時間帯=13.9人、すなわち、平均して1日に14人が勤務していなければならなくなるのです。
2交代制の場合、夜勤帯に2人を配置しているとすると、日勤帯は12人が勤務していなければならないことになります。
また、3交代性の場合、深夜帯に2人、準夜帯に2人を配置しているとすると、日勤帯は10人が勤務していなければならないということになります。
日勤帯を見てみると、2交代制では、60床に対して看護職員14人ですので、実際には4.3対1の看護体制。
3交代性では、60床に対して看護職員10人ですので、実際には6対1の看護体制となります。
2.5対1の表示を見ている患者さんにすれば、「少なすぎる!」ということになりますよね。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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