リハビリテーションと評価(中編)

前回からの続きです。
 
リハビリテーションが4つに分類されたことにより、それぞれのリハビリテーションを算定するための条件が厳しく設定されました。
高齢化社会が進むにつれ、比率が多くなってくるのが、脳血管疾患等リハビリテーションです。
脳梗塞後のリハビリテーションは、できる限り早期に開始することが重要で、また、継続していくことも重要です。
脳血管疾患等リハビリテーションを算定できる基準として、脳梗塞脳出血クモ膜下出血、脳外傷などが挙げられますが、次の項目が挙げられていることは注目すべき点です。
リハビリテーションを要する状態にあって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力の低下及び日常生活能力の低下を来している患者
何をもって、この状態を規定するのか?ということが、具体的に挙げれました。
それは、治療開始時における、「機能的自立度評価法(FIM)」と「基本的日常生活活動度(BI)」という指標です。
FIMが115以下、BIが85以下である状態が、脳梗塞後のリハビリテーションの対象となってきます。
最近では、FIMが広がってきて一般的になってきていますので、このFIMを用いた評価が重要となってきます。
それでは、FIMとはいったい何なのでしょうか?
FIMとはどの疾患にでも適用でき、誰でも評価することができる、実際に「している」状況を記録する評価方法です。
ADL(日常生活動作)のすべての内容をチェックするのではなく、必要最小限の項目を把握するための方法です。
以前のリハビリテーションは、「できなくなったことをできるだけ元のできる状態に戻す」という考え方でしたが、最近では「できることを最大限に活用する」という考え方に変わってきています。
FIMは、「今の体の現状からは、このくらいはできるはず」ということは評価せずに、「実際にしている」状態を評価して、介助量を測定することになります。
FIMは、運動項目として、セルフケア 6項目、排泄管理 2項目、移乗 3項目、移動 2項目の計13項目、認知項目として、コミュニケーション 2項目、社会的認知 3項目の計5項目、合計18項目からなります。
評価方法としては、各項目で、自立 2段階、部分介助 3段階、全介助 2段階の7段階で評価を行います。
従って、完全に自立している人は、18項目×7点=126点となります。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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