リハビリテーションと評価(後編)

前回からの続きです。

今回の脳血管疾患等リハビリテーションの算定基準は、FIM115点以下であるため、現在、動作能力低下のためにリハビリテーションを行っている人のほとんどが対象となります。
(全項目で自立の6点であっても、18項目×6点=108点で対象となります。)
すなわち、高齢者の多くは、脳血管疾患等リハビリテーションを算定できるということです。
今後、この「115点」という基準は徐々に下げられていくと思われますが、まずは混乱を来たさないための基準であると考えられます。
このFIMという評価方法、客観性があるようで、実はかなり主観的な部分があります。
採点方法を見てみますと、
7点 完全自立、6点 修正自立
この2つが、介助者不要の状態です。
介助者必要の状態では、
5点 監視、準備が必要
4点 最小介助が必要(介助量<25%)
3点 中等度介助が必要(介助量<50%)
2点 最大介助が必要(介助量<75%)
1点 全介助(介助量≧75%)
となります。
各項目で具体的な基準はあるのですが、かなりアバウトな面もあります。
すなわち、FIM合計点は、±10くらいは評価者により変動する可能性があるということです。
実際に「している」状況の評価なので、仕方のないことかもしれません。
ただ、今回の脳血管疾患等リハビリテーションの算定基準で見逃せない項目があります。
次の条件に当てはまれば、急性増悪と見なされ、新たな「発症日」をつけることが可能となります。
・1週間以内にFIM得点又はBIが10以上低下するような状態等に該当する場合
脳血管疾患等リハビリテーションを180日以上継続していく必要がある患者には、FIMを毎週、チェックしていく必要があるということです。
これからのリハビリテーションには、このFIMという評価方法が、かなり重要となってくるのです。

FIMを継続的に評価・管理していくのはなかなか大変です。
そこで、このFIM管理を行うことができるソフトウェアをご紹介させていただきます。
メディカソフトウェアさんから販売されている「リハビリテーションFIM評価管理システム」
簡単な操作で、患者ごとにFIMを評価・管理できるソフトウェアです。
レポート作成、継続評価レポート、グラフ管理などの機能も充実しています。
将来の、FIM115点以下という基準が変動になっても対応できるようになっています。
http://www.medica-site.com/software/
業務改善のご参考まで。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch