膝高計測法を活用しよう(前編)

今日から算数の勉強です。覚悟してください(笑)。
医療機関において、NST(Nutrition Support Team)というのが普及しつつあります。
これは、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、言語聴覚士など、チームで栄養管理をしていこうという活動です。
栄養が多いと、肥満や高血糖になりますし、逆に栄養が少ないと、筋力低下、衰弱、褥瘡の発生などを招きます。
そこで、適切な栄養量、水分量を計算して、食事設計を行っていこうという活動です。
食事を摂取できない方には、病院ではIVHという点滴で栄養補給をしている所が多いのですが、人間は腸を動かさなければすべての機能が低下してきます。
IVHを外して、経管栄養という方法で栄養剤を胃や腸に入れるようにする。
次は、少しでも口から食べるようにする。
そうなると寝たきりではなくなってくるので、活動する意欲・能力が上がり、退院することができるかもしれません。
やはり、病院で過ごすよりは自宅で過ごしたいですよね。
こういった活動を行っていくのも、NSTの活動の一つです。
ということで、NSTの活動は、まずは必要な栄養量を計算することから始まります。
ここでいう栄養量とは、エネルギー量(カロリー)であり、水分量であり、蛋白質量や脂質量や炭水化物量をいいます。
栄養量を計算する際に、絶対に必要なデータがあります。
身長と体重と年齢です。
健常な人は、すぐに分かりますが、栄養管理が必要な方は、概して体が不自由なことが多いため、身長、体重の計測は難しいものです。
そこで、計算式から身長、体重を推測するのが、膝高計測法という方法です。
寝たままでも測定できる、KH:膝高(cm)、AC:上腕周囲長(cm)、TSF:上腕三頭筋皮下脂肪厚、という、3つの値を計測し、推定式に入れます。
正確には綿密な測定が必要なのですが、KHとは踵から膝上までの高さ、ACは二の腕の周囲の長さ、TSFとは二の腕の脂肪の厚さのことです。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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