ナースコールの設置(その壱)

高齢者には、いつ、どこで何が起こるのかわからない。
そんなとき、ナースコールは、命の手綱ともいえる大切な役割を果たす。
どこの医療機関介護施設でも、居室、トイレなどには必ず設置していると思う。
しかし、よくよく見ていると、非常に疑問に思うことも多々ある。
その典型的なものがトイレのナースコールだ。
皆さんの施設でも、あらためてトイレのナースコールの位置を見ていただきたい。
通常、洋式便座に座ったとして、すぐ横の壁にボタンが設置されていると思う。
さて、このボタン、自分の体より前に設置されているであろうか?
後ろに設置されている場合、体の不自由な方の場合、振り返って押すことができない。
それ以前に、ナースコールの存在に気付いていないことも多々ある。
さらに、片麻痺がある方のことを考えてみよう。
ナースコールは両サイドに設置されているであろうか?
健常人には、ナースコールは必要ない。
使う人の立場に立って、設置場所を決める必要がある。
また、トイレでは、転倒や座り間違いにより、便座の前に座り込んでしまうことがある。
体が不自由だと、そのまま立つことができなくなってしまう。
さて、その位置からナースコールを押すことができるであろうか?
筆者は、この位置からナースコールが押せるトイレを見たことがない。
トイレに入っていることを誰も知らなければ、いつまでも床に座り込み続けることになる。
ナースコールの本来の目的は緊急用であるということを忘れてはいけない。
皆さんの施設では、ナースコールが命の手綱になっていますか?
 
尾崎総合企画
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