医療は社会保険方式か税方式か?(前編)

2008年度に創設する75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度。 この制度を、厚生労働省は「高齢者独立保険」と位置づけている。 しかし、財源を見てみると、(現在の案では)医療費の50%を税金、40%を現役世代が納める保険料、10%を高齢者が負担というこ…

在宅管理とカーナビ(後編)

前回からの続きです。 カーナビの地図は縮尺の変更が自由ですよね。 利用者・患者宅を登録しておけば、すべてプロットされますので、エリア毎にどれくらいのご自宅があるのか一目瞭然です。 ポータブルですので、テレビやプロジェクターに接続すれば、カンフ…

在宅管理とカーナビ(前編)

平成18年の大改定により、今後は在宅での介護、在宅での医療が推進されてきます。 介護事業所にしても、診療所にしても、訪問部門を強化していかなければならない時代となりました。 さて、訪問を強化するにあたって、最も大切なことは「ルート管理」ではな…

中小病院の入院環境が劇的に変わります(後編)

大きく変わる基準の2つ目は、夜勤の看護配置の要件が厳しくなるという点。 現在の制度の「夜勤勤務等看護加算」の算定要件が標準化されてきます。 これは、夜勤帯の看護職員の労働条件を守るためであり、夜勤は1ヶ月に72時間以内ということが徹底されるので…

中小病院の入院環境が劇的に変わります(前編)

今回の診療報酬改訂で、中小病院が悩んでいる問題が、病棟への看護配置についてです。 ご存知の通り、今回の改訂で大きく変わる基準が2つあります。1つ目は、現在の○対1という看護配置の記載が現実に即していないため、実際の数字に置き換えられるという点。…

在宅リハビリテーションもどうなる?(後編)

前回からの続きです。 しかし、今回の指導事項に従うと、週3回の訪問リハビリテーションを算定するためには、週3回以上の訪問看護が必要となってくる。 週3回の訪問リハビリテーションと、週3回の訪問看護となると、 1週間に、(830点×3回)+(830点×3回)…

在宅リハビリテーションもどうなる?(前編)

「リハビリテーションは在宅で!」といいながら、かなり大変なことになってきている。 訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションが制限されるというのだ。理学療法士、作業療法士、又は言語聴覚士による訪問看護は、 その訪問が看護業務の一環として…

リハビリテーションが変わる?(後編)

前回からの続きです。 訪問リハビリテーションの点数を高くしているが、1人1回2単位として、移動時間を考慮すると、1日に6〜7人が限界であると思われる。 実際に、介護の訪問リハビリテーションでも、1日6〜7人が限界である。 月に22日勤務、1日平均6人の患…

リハビリテーションが変わる?(前編)

今回の医療・介護の大改定は、リハビリテーションを大きく変えていくことになるかもしれない。 厚生労働省は、在宅誘導を進めるために、リハビリテーションを促進してきたはずだった。 しかし、ここにきて、期間短縮、大幅な点数ダウンとなっている。 詳細を…

ビデオカメラの設置(後編)

前回からの続きです。盗難予防とは話が違うのですが、最近、病院内で起こる「転倒」などの事故が増えてきています。 各病院では、医療安全管理対策を行い、転倒予防に努めていますが、あくまで「事後検討」ですので、根本的な原因は把握しにくいものです。 …

ビデオカメラの設置(中編)

前回からの続きです。ビデオカメラの問題点として、その記録映像の保管が挙げられます。 現在は、DVDやハードディスクなど、大容量ディスクが普及していますが、それでも保管には限界があります。 セルフのガソリンスタンドには、セキュリティのためビデオカ…

ビデオカメラの設置(前編)

最近、病院でもビデオカメラが設置されているところが増えてきたように思います。 もちろん、エレベーターの中などはこれまでも多かったのですが、正面玄関や廊下、医局や事務室前なども増えてきています。 「セキュリティ」の時代であることを感じます。 病…

機能分化を促進するために(後編)

前回からの続きです。実は、このような問題は簡単に解決することができるはずである。 法令で、病院の名称について規制をかければよいのである。一例を挙げると、医療法人○○会 急性期病院 医療法人△△会 回復期リハビリテーション病院 医療法人□□会 療養型病…

機能分化を促進するために(前編)

平均在院日数がますます短縮されてきている。 厚生労働省の政策で、短期入院に高い診療報酬がつくようになり、急性期病院での平均在院日数は短縮され続けている。 クリニカルパスが使用され、計画的に退院しているように見えるが、患者にとっては「追い出さ…

地域医療連携をまじめに考えてみる(後編)

前回からの続きです。 地域医療連携に、何かが足りない? そう、診療所で診ることができない、すなわち入院が必要な「亜急性期、維持期」の患者の行き先がないのである。 リハビリテーションが必要なのではなく、医療が必要な患者の行き先がないのである。 …

地域医療連携をまじめに考えてみる(前編)

地域医療連携という活動が推進されている。 現在の、そしてこれからの診療報酬の中で生きていくには、機能分化が欠かせない。 各機関病院は、連携室を立ち上げたり、一般市民や、連携先の医療機関・介護施設を招いてセミナー等を開催したりして、啓蒙に、広…

医療というサービスと料金(後編)

前回からの続きです。 保険診療では、患者の自己負担が1割や3割であることから、本来の医療費が患者にわかりにくくなっています。 そのため、出来高方式の医療で、過剰ともいえる検査や投薬を重ねることにより、医療費は増大してきました。 もちろん、患者主…

医療というサービスと料金(前編)

厚生労働省は平成18年4月より、診療報酬点数の一覧表を同省のホームページに掲載することを決めました。 ようやく、医療の「料金の入ったメニュー」、国民に公開されるのです。 今回の診療報酬改定をめぐって、厚生労働省は、「詳細な明細書の提供」を制度化…

食事は治療なのか?(後編)

前回からの続きです。 高血圧の方には、血圧を抑えるために、減塩食が推奨されている。 日本高血圧学会が推奨している「高血圧治療ガイドライン2004年版」では、塩分の摂取は1日6g未満とされている。 皆さんは、1日6g未満の食事を食べたことがあるだろうか?…

食事は治療なのか?(前編)

平成18年4月の改定で、病院給食が大幅に変わってくる。 今回のポイントは、 ・1日あたりの金額から、1食あたりの金額への変更 ・食堂を設置することによる評価の廃止 ・メニューを選択できることによる評価の廃止 ・食事を適時適温で提供することによる評価…

謝礼なんて(後編)

前回からの続きです。 さて、皆様の病院での現状は別として、この謝礼を受け取るという行為については、いくつもの問題点があります。 ・謝礼を受け取った医師は、きちんと税務申告しているのか? ⇒ 脱税行為になります。 ・保険診療を行っているのに、保険…

謝礼なんて(前編)

medi_wel 通信というメルマガを読んでいて、面白いレポートが紹介されていました。 http://www.mag2.com/m/0000158441.html (このメルマガは、非常に面白い観点で情報を提供してくださいます。) 紹介されたのは、門倉貴史のBRICs経済研究所というところが…

環境を見渡そう!(後編)

前回からの続きです。 特にトイレが重要といったのには理由があります。 一般企業や飲食店では、「トイレが汚いところは業績が下がる」という法則があります。 これは「気配り」の問題です。 汚れやすい所を、汚いままにしておいて気にならない人は、仕事に…

環境を見渡そう!(前編)

医療や介護は、いまや「サービス業」としてのポジションを確立してきています。 つい数年前までは、「医療はサービス業じゃない!!」という関係者も多く見られましたが、サービスの良い医療機関に患者が流れるのを見て、考え方は根本的に変わってきたようで…

ピンチとチャンス

平成18年の医療・介護の大改定は大きな波紋を呼びそうである。 点数だけを見ると、変化の幅は少ないようにも思えるかもしれないが、算定するための条件が一段と厳しくなってくる。 現在、算定している医療行為が、4月以降に算定できるという保障はまったくな…

看護配置と夜勤体制(後編)

前回からの続きです。 1ヶ月を30日とすると、2人以上の看護職員の配置のため、1ヶ月あたり延べ60人の夜勤職員数が必要となる。2交代制の場合、夜勤時間は16時間。 月夜勤時間は72時間以内のため、1人当たりの夜勤回数は、72時間÷16時間=4.5回 すなわち、4回…

看護配置と夜勤体制(前編)

今回の診療報酬改定で、非常に気になっている項目がある。 それは、夜勤勤務等看護加算の廃止。 夜勤に係る看護職員配置も、看護職員配置に係る評価全体の中で併せて評価していくという。 すなわち、入院基本料に「包括」されるということである。 問題は、…

診療報酬改定における主要項目(後編)

前回からの続きです。 ・看護配置を、実質配置で区分(例:これまでの2対1看護は、10対1看護となる) ・夜間勤務等看護加算の廃止(2人以上夜勤、1人月72時間以内の徹底か?) ・急性期入院加算、急性期特定入院加算、紹介外来加算等の廃止 ・有床診療所の入…

診療報酬改定における主要項目(前編)

平成18年4月の診療報酬の改定状況が少しずつ見えてきた。 2月3日の第83回中医協の総会資料であるが、簡単にポイントを抜粋してみる。 (あくまで、案であることをご了承ください。)・医療費の内容がわかる領収書の交付の義務付け(レセプト分類レベル) ・…

医療費や税金について(後編)

前回からの続きです。 社会保障費には、保険料に加え、多額の税金が投入されている。 税金は社会保障のみに使われるものではない。 それなのに、毎年、社会保障費は増加し続けている。 大切なのは、「いかに自然増を抑えるのか」ではなく、「いかに昨年より…