2004-01-01から1年間の記事一覧

インフルエンザワクチンを接種しよう!(前編)

今年のインフルエンザ流行は早いようである。 平成16年11月8日には、例年より1ヶ月以上も早く、奈良県五條市内の女性からA香港型のインフルエンザウイルスが検出されたり、小学校では学級閉鎖が起こったりしている。 昨年は、異常なまでのワクチンフィーバ…

現物給付と現金給付(後編)

前回からの続きです。混合診療が解禁された場合に心配されていることがある。 ・新しい最先端技術(新薬を含む)に対して、保険が適用されない可能性がある。 ・風邪や胃痛、眼疾患、湿布薬など、ドラッグストアで薬を購入できる範囲の医療が保険適用外とな…

現物給付と現金給付(中編)

前回からの続きです。さて、話は混合診療に戻る。 医療というのは、保険者からの「現物給付」であるため、保険者が認めた医療機関でしか保険証が使えない。 すなわち、保険医療機関でしか保険診療を受けることができない。 保険診療とはどのような診療かとい…

現物給付と現金給付(前編)

混合診療を語る上で、給付方式の理解は欠かせない。 まずは医療と介護の違いが分かるであろうか? 一般的に、医療は3割の自己負担、介護は1割の自己負担。 割合は違うけれども、同じ給付方法をとっているように見える。 しかし、医療は「現物給付」、介護は…

運転中の電話は絶対にやめよう!!

平成16年11月1日より、運転中の携帯電話の使用が全面禁止となった。 罰金の制度化は、介護の業界にも波紋を広げている。 訪問系、通所系の介護では車の利用が多い。 事業所やケアマネとの連絡や、利用者宅への連絡など、携帯電話は欠かせない道具である。 こ…

製薬メーカーに一言(後編)

前回からの続きです。輸液は種類がたくさんあり、各メーカー毎に微妙に違うから仕方がない!と言われる方。 次の例はどうであろうか? それは、エポエチン(EPO、エリスロポエチン)製剤である。 腎性貧血の治療薬なのであるが、この製剤はαとβがあり、それ…

製薬メーカーに一言(前編)

病医院の医療安全管理体制が制度化(入院基本料減算)されて2年が経過した。 これまでに、薬剤に関する事故が数多く起こってきた。 非点滴用トロンビン製剤の静注、高濃度キシロカイン製剤の静注、カリウム製剤のワンショットなどなど記憶に新しいと思う。 …

患者様という呼称について(後編)

前回からの続きです。姓(名)に対する「様」付けは、受付などでは違和感なく聞こえるようになった。 しかし、診療の場面では非常に違和感を感じ、実際には使われていないことが多い。 「○○様、傷の処置をしましょうね」というように、呼称と、敬語の使い方…

患者様という呼称について(前編)

接遇改善というのは難しい。 ここ数年で、医療機関における「患者様」という呼称が広がっている。 患者サービスの向上のために、まずは呼称からということである。 この「患者様」という呼称が始まった背景には次の説がある。 2001年11月、厚生労働省健康局…

国民医療推進協議会(後編)

前回からの続きです。医療における新技術は、日々進歩している。 そのため、混合診療が導入された場合、最新の技術(国内での安全性は未承認)に関しては自費負担が上がるであろう。 最新の薬剤(国内未承認の抗がん剤など)を使う場合も、自費負担が上がる…

国民医療推進協議会(前編)

日本医師会など医療関連35団体は平成16年10月21日に「国民医療推進協議会」を設立し、混合診療などへの反対を訴える「国民皆保険制度を守る署名運動」を行っている。 各医療機関にも、日本医師会長名で署名運動についてのお願いがきていることと思う。 本来…

処方のみ外来について考える(後編)

前回からの続きです。このような診療の歴史により生まれたのが、「薬だけ欲しい」という患者の既得権である。 「薬だけをもらう」ことが当たり前となり、診察を勧めると「なぜ診察を受けないといけないのだ!!」と怒り出す患者もいる。 受けないといけない…

処方のみ外来について考える(前編)

どこの医療機関もそうだが、「今日はお薬だけで構いません。」という患者をよく見かける。 カルテが医師を通らずに、薬のみがカルテ記載され、診察を受けずとも薬が処方されることが多々ある。 一般人の方々には、「えっ?当たり前のことじゃないの?」と思…

食卓にご飯の香りを!

病院の食事は味気ないものです。 3日も食べていると、家庭の味が恋しくなります。 もちろん、厨房は頑張っているのですが、様々な制度やシステムが、味を落としてしまいます。 まずは、調理の際の中心温度は、75度以上で1分間以上という決まり。 これを守る…

PDCAサイクル

先日出された、「医療計画の見直し等に関する検討会」ワーキンググループ報告書の中に、面白い項目があった。 いくつかの問題点の指摘の中に、 ・今後は計画の作成のみで終了とせず、「作成→執行→評価→次期計画への反映」を一つの循環とする という項目があ…

急性期分離のその後は?(後編)

世界の平均在院日数は10日前後でやっているではないか? ナーシングホームは、日本の老人ホームと同じ役割ではないか? しかし、日本と世界は医療の根本が違うのである。 日本では、医師以外に「医療行為」をほとんど認めていない。 看護師の業務を見てみて…

急性期分離のその後は?(前編)

現在、医療においては、急性期病床、回復期リハビリテーション病床、療養型病床の分化が進んでいる。 特に急性期病床と回復期リハビリテーション病床には、高い保険点数をつけ、政策誘導が行われている。 急性期病床の平均在院日数は徐々に短縮化されている…

台風と院外処方

今年の台風は異常ですね。 8月から10月までほとんど同じコースを通っていくなんてありえないことです。 全国の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。 さて、これだけ暴風の中でも、病院や診療所という所には必ずや患者が来院しています。 1日ぐらい…

この文章を読んでどのように考えるか?

非常に面白い文章を読んだのでご紹介する。 ビル・トーマス氏の著書:Life Worth Living P17〜18の要約である。 転載させていただくことをご了承願いたい。〜親切な砂漠のカインド氏の話〜昔、ある旅人が砂漠を横断中、激しい砂嵐に見舞われた。 水も食料も…

車椅子にタイマーを

車椅子に乗っているお年寄りは自分で移動できないことが多い。 当然、その場合は看護師や介護福祉士などに、移動をお願いすることになる。 病院でよく見かける風景なのだが、車椅子のお年寄りが「ほったらかし」にされていることがある。 例えば、検査等のた…

ゴールドプラン(後編)

前回からの続きです。その目標に向け、グループホームの整備、地域リハビリテーション、介護予防、居住環境の整備、福祉用具の普及、多用な事業者の参入促進などは、このプランに基づき、忠実に実行されたのである。 当時の厚生労働省の皆様の計画性と、それ…

ゴールドプラン(前編)

いつから医療・介護界は厳しくなってきたのであろうか? 財源の圧縮、税金、保険料の増加、診療報酬、介護点数の減少、人員規定、施設規定の厳格化・・・。 最近は明るい話題が見つかりにくい。 現在の医療・介護システムは、ゴールドプランに沿って進められ…

介護保険制度の見直しについて(4/4編)

前回からの続きです。○17ページ目 最後に、財源が足りない介護保険における、被保険者・受給者の範囲が問題となってくる。 現在の介護保険制度では、40歳以上の者から保険料を徴収し、65歳以上の高齢者が利用するという制度である。 すでに、保険料は20歳以…

介護保険制度の見直しについて(3/4編)

前回からの続きです。○8、9ページ目 給付を効率化・重点化するためには、「予防重視型システム」への転換は避けて通れない。 現在、要支援と要介護1の人数は全体の5割近くに達している。 この両者は、時期改定では現在の介護保険制度が利用できなくなること…

介護保険制度の見直しについて(2/4編)

前回からの続きです。○4、6、7、10、11、20ページ目 介護保険の最大の目的は、在宅誘導である。 そのため、訪問系、通所系サービスの増加に向けて誘導を行っている。 たしかに、介護保険利用者297万人(2004年1月)のうち、75%の223万人は在宅サービスの提…

介護保険制度の見直しについて(1/4編)

平成16年9月末、厚生労働省 介護制度改革本部より、「介護保険制度の見直しについて」のパンフレットが公開された。 皆様はもうご覧になられたであろうか? 厚生労働省のホームページよりpdfファイルにてパンフレットを閲覧することができる。 http://www.mh…

「洗濯ヘルパー」問題解決!?

先日、徳島県上勝町の「洗濯ヘルパー」問題を取り上げた。 クリーニング店が1店もないこの町で、お年よりの洗濯負担を軽減するため、コインランドリーや家庭用洗濯機で洗濯をしてあげようという試みが、クリーニング業法に抵触するため、提案が拒否されたと…

保険料は20歳から!障害者福祉と一元化へ!

ついにというか、やはりというか、厚生労働省は、介護保険と障害者福祉を一元化する案を固めた。 障害者施策に介護保険制度を活用しようというものだ。 介護保険制度を利用すると、現在65歳以上というサービス利用者の年齢制限を事実上、撤廃することになる…

進む院内禁煙(後編)

前回からの続きです。タバコが吸えないとなると、どうしても吸いたくなるのが人間の心情。 堂々と吸えないなら、隠れて吸おう!ということになる。 このあたりは、中学・高校生の喫煙方法とまるで大差がない。 トイレで吸ったり、布団にもぐって吸ったり、と…

進む院内禁煙(前編)

健康増進法により、公共施設では分煙もしくは禁煙となった。 空港、JR、役所を始め、医療機関でも分煙、禁煙が進んでいる。 ここ1〜2年、排煙設備が整った喫煙室の設置が多く見られるが、この喫煙室もどうやら長くは設置できないようだ。 厚生労働省のビジョ…